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訪問看護の知識をいざスキルへ! 第二弾「膀胱留置カテーテル編」

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みなさま、こんにちは!
ホームメディカルプラス開発スタッフの保坂です。
私は在宅医療に携わるようになって3年目、病院と在宅でのルールの違いや工夫方法に迷ったり感動したりと色々ありました。
そこで、ここでは当事業所が経験したことであったり、実際今はどのように看護・管理するのがベストと言われているのかをお伝えできればと思います。
得た知識を看護に活かし、自分自身のスキルに落とし込んでいただけたら幸いです。

今回は看護の中でも膀胱留置カテーテル編!!

膀胱留置カテーテルは、病院でも在宅でも医療用デバイスとして高頻度に使用されているものではないでしょうか。
私の新人時代にも点滴留置の次に頻度の高かった看護技術だった印象があります。
それではまず基本から、管理まで述べたいと思います。

1. 膀胱留置カテーテルの主な適応とは

① 尿路閉塞
② 神経因性の尿閉
③ 重症患者の尿量管理
④ 手術前後
⑤ 仙骨・会陰などの創治癒サポート
⑥ 終末期における快適性の向上

この6つがあげられます。
在宅ではの終末期における快適性の向上、つまり患者や介護する家族が排泄ケアに対して負担にならないような目的で挿入されることが多くなっています。

カテーテル留置以外に代替え法として・・・
間欠的導尿、膀胱瘻、尿閉がない場合にはおむつや尿器など、カテーテル関連尿路感染症を防ぐことが最大のポイントになります。

それだけではなく、在宅の分野では挿入するにあたり、患者自身やその家族、在宅医と相談して挿入に至ることが多いですね。しかし入院中であれば約21~50%もの患者が不適切な膀胱留置カテーテル留置されているという報告もあります。
その不適切な理由の最たるものは、失禁の管理であり、本当にカテーテル留置が必要なのか、代替え法ではだめなのかを常に考えられるといいですね。

2. 膀胱留置カテーテルの禁忌

▶︎唯一の絶対的禁忌!! → (主に外傷による)尿道損傷

外傷患者で尿道からの出血や血尿がある場合は、泌尿器科医師による尿道鏡を行うことが推奨されています。在宅医療の場では、すでに挿入されて退院となっているか、膀胱瘻を造設されて自宅退院となっている方がほとんどかと思います。どのような経緯で留置されているかはしっかりと理解しておきましょう。

▶︎相対的禁忌

・尿道狭窄
・最近の尿路系手術
・人工尿道括約筋

3. カテーテルの種類

① 先端の形状:ラウンド式、チーマン式、先穴式
② 内腔:2way、3way
③ 材質:ラテックス、シリコン
④ 表面加工:銀コーティング、抗菌薬コーティングなど

<カテーテル径の選択>
留置の目的や患者の基礎疾患により変更することが大切です。

通常:14~18Fr

※カテーテルはできるだけ細径、完全閉鎖式を選ぶ!

・太径だと・・・ 尿道を圧迫することで尿道損傷のリスクUP
・半閉鎖式だと・・・コストは安いが細菌が管腔内に侵入しやすく尿路
感染症のリスクUP

●高度血尿がある場合:20~24Fr もしくは 3wayカテーテルの22Fr
●前立腺肥大:18Fr程度

※この場合は積極的に細径を選択しないほうがいい!(しなって挿入しにくくなる)

4. 膀胱留置カテーテル留置における合併症

尿道損傷、尿路感染症、嵌頓包茎、膀胱萎縮、尿路結石、尿閉、頻尿 など・・・
▶尿道損傷を疑うポイント

<事故例として> 2018年9月 日本医療機能評価機構の報告参照

膀胱留置カテーテルによる尿道損傷:49件/5年

いずれも尿の流出を確認せずバルン拡張

▶事故に至った理由として
・挿入したカテーテルの長さが十分であると思った(27件)
・カテーテル挿入時に抵抗がなかった(15件)
・膀胱内に尿がたまっていないと思った(15件)

 

在宅の現場では、看護師が挿入し事故が発生した場合に、発見が遅れるケースも少なからずあります。
そのため、男性の膀胱留置カテーテルの挿入については医師の同席のもと実施としているステーションが多いようです。

実際、当事業所も開設当初は看護師が留置していましたが、主治医や家族から手技について問われ、担当した看護師がストレスを抱えたケースがあったこともあり、男性の膀胱留置カテーテルの挿入は医師同席のもとであれば実施可能と職員で統一しています。

Point!:なぜ、男性のカテーテル挿入は難しいのか??

男性の場合

・尿道が長く、S字に弯曲している
・尿道口が露出
・外尿道括約筋や前立腺で抵抗がある

弯曲しているうえに、前立腺により尿道が狭窄している場合があり女性に比べて挿入しにくい原因となっています。
ここが挿入しにくいからといって手技を続けていると、別の経路に迷入し、軟部組織感染や膿瘍形成にもつながるため注意しましょう!

5. トラブルシューティング

① カテーテルからの脇漏れ
      原因           対策
カテーテル留置の刺激で膀胱収縮がおきていたり、カテーテルの閉塞が原因のことが多い ・カテーテル径を太くしない!

・カテーテルの閉塞がなければ、細径のものに変更してみる

・そのほか、尿路感染によることもあり感染徴候がみられないか観察する

② カテーテルの閉塞
      原因           対策
・カテーテル内の浮遊物や結石によることが多い

※カテーテルが閉塞すると膀胱内圧があがり、尿路感染症のリスクが急激に増加

・カテーテルの交換頻度を上げる

・カテーテルを太径にする

・尿量を確保する

・シリコン製のカテーテルに交換してみる

・浮遊物があるからといって、抗生剤の予防投与や膀胱洗浄はエビデンスなし

③カテーテルの抜去困難
      原因           対策
・製品側の不具合

・固定水を抜く際の陰圧のかけすぎ(インフレーションルーメンの閉塞)

・固定水に蒸留水以外を用いた

・固定水を抜く際は、バルンがしぼむ力を利用した自然抜水か、ゆっくりと陰圧をかける

・どうしても抜けない場合は、無理をせず医師に報告し対応方法を確認する

 
Point!:膀胱留置カテーテルの交換頻度

▶交換頻度についての明確な基準はなし
▶カテーテルの閉塞、脇漏れ、感染、閉鎖システムの破損などがあれば 適宜交換
▶長期留置患者では通常1か月毎に交換

~まとめ~

膀胱留置カテーテルは、一般的にはカテーテルの留置により患者自身のQOLは低下するといわれています。しかし在宅医療の分野では、排尿に煩わされたり、おむつ交換時の苦痛が減少すること、自己導尿の必要性のある人には負担が軽減することにもつながり、さらには介護負担が減少することなど、患者のみではなく家族や介護者のQOL向上につながります。

しかしながら、医療用デバイスが合併症のリスクにつながることもあるため、その患者にとって必要であるのか、なぜそのカテーテルを留置しているのかを知り、常にアセスメントすることを大切にしていきましょう。

そして、管理する中で不明な点や、おかしいと感じた点があれば、指示医に早期に報告することも非常に大切になってきます。

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ホームメディカルプラス(めどぷら)は医師と看護師の連携を強化し、指示をスムーズに可視化することで、より安全に看護を提供することを可能にしたシステムです。

在宅医療情報連携システム ホームメディカルプラス「めどぷら」は、時間に限りのある医師と看護師の連携を強化し、指示をスムーズに可視化することで、より安全に看護を提供することを可能にしたシステムです。
これからは、訪問看護において欠かせないアイテムのひとつとなる、在宅医療の新標準「めどぷら」を利用して、医師と訪問看護師間の連携を迅速かつスムーズに行い、より良いサービスを提供しましょう!

 

 

 

 

 

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企画・執筆: 保坂恵里奈

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執筆者

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保坂恵里奈

訪問看護ステーション月 訪問看護師
看護師歴: 19年
保有資格: 救急看護認定看護師、日本DMAT・DMORT隊員、国際緊急援助隊医療チーム所属、ICLSインストラクター

訪問看護ステーション月 訪問看護師
看護師歴: 19年
保有資格: 救急看護認定看護師、日本DMAT・DMORT隊員、国際緊急援助隊医療チーム所属、ICLSインストラクター

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