在宅酸素療法の実情
こんにちは。めどぷら開発メンバーの三田です!
訪問看護のご利用者さまの中には「酸素をつけて生活している方」は多くいらっしゃいます。
今回は、酸素療法の基本的知識を解説した後、事例をまじえた具体的な実践について「在宅酸素療法」の現状をお伝えします。
在宅酸素とは
室内空気より高い濃度の酸素を投与することです。酸素療法をご自宅で実施することを(在宅酸素療法)HOT:ホットといいます。
在宅酸素療法とは、酸素を体内に取り込めない方が病院ではなく、自宅などで酸素を吸入しながら生活する方法です。
HOTは 『Home Oxygen Therapy』の頭文字をとった通称名です。
HOTは、1985年医療保険が適応されて以来、多くの慢性呼吸不全患者さんの在宅ケアを可能にしてきました。
在宅酸素療法は、医療保険の対象となるため機材のリース・ボンベの交換などにかかる費用は、1〜3割となります。(1割負担の患者のHOT負担額は、1ヶ月約8000円程度)
当事業所にも、HOTを利用されているご利用者様は多数おられます。病態に応じて酸素投与量を変更するのはもちろんのこと、ご本人やご家族様への指導も看護師の重要な役割になります。
身体への必要性に加えて、ご利用者様が望まれる生活を送るために必要な資源であることも説明します。ご利用者さまの趣味や生きがいなどが継続できるように、具体的な説明を行うことで、HOTの必要性の理解促進につながります。
在宅酸素療法の目的
・生命予後の改善
・ADL・QOLの改善
在宅酸素療法が適応になる疾患(例として)
慢性呼吸不全の症状がある場合に在宅酸素が適応となります。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・肺結核後遺症
・気管支拡張症
・間質性肺炎
・肺高血圧症
・慢性心不全
・じん肺を始めとした職業性肺疾患
・チアノーゼ型先天性心疾患
在宅酸素を実施する際の注意点
・吸入量と吸入時間を守る
・月に1回診察を受ける
・火気に注意
(タバコ、ライター、ストーブ、マッチ、ろうそく、線香など)
➡︎周囲2m以内には近づけない
症例
実際のご利用者様で介入している症例(Aさん)をご紹介します。
Aさんの場合
①間質性肺炎
②関節リウマチ
③甲状腺機能低下症
④糖尿病
⑤前立腺肥大症
多くの疾患を患っておられます。
ADL(日常生活動作)は自立しているが、労作時にSPO2が80%台に下がり身体に大きな影響を与えています。
主に2階での生活を中心に日常生活を過ごされていますが、食事や入浴、トイレなどは1階まで階段を降りなければなりません。
そのためHOT2台を同時使用し、最大流量10リットルまで使用できる体制が整えられています。
普段はカニューラから酸素投与されておりSPO2の数値で適宜、自身で流量設定されます。このご利用者様の酸素チューブの長さはおよそ15m〜20mほどあり、これほど長い酸素チューブを使用し生活されている方は初めてでした。
私たち訪問看護師は1階を居住スペースにするべきだと何度も提案していますが「今まで培ってきた自分の生活スタイルがある!」と、2階での生活を続けておられます。
このご利用者様は自身の生活スタイルを崩さないよう、今の生活を継続するため必死で工夫され、毎日を過ごしておられます。
HOTがなければ在宅での生活は不可能なご利用者様で、確実に入院療養になられる方であると考えます。
私たち訪問看護師は自宅で過ごしたいという想いに寄り添い、必要な知識を提供して必要な観察を行い病状の変化を主治医へ報告します。HOTを導入・使用するにあたり月に1回以上医師の問診が必要となります。またHOTの導入にあたり医師の指示書も必要となります。
必要時、医師と素早く連携が図れる体制は必須です。
主治医から迅速且つ正確な指示を仰ぐために
指示医と訪問看護師との連絡手段を迅速に行うため、現役の訪問看護師が作りました。
ホームメディカルプラス(めどぷら)は医師と看護師の連携を強化し、指示をスムーズに可視化することで、より安全に看護を提供することを可能にしたシステムです。
このようなお悩みも、めどぷらを導入すると・・・
在宅医療情報連携システム ホームメディカルプラス「めどぷら」は、時間に限りのある医師と看護師の連携を強化し、指示をスムーズに可視化することで、より安全に看護を提供することを可能にしたシステムです。
これからは、訪問看護において欠かせないアイテムのひとつとなる、在宅医療の新標準「めどぷら」を利用して、医師と訪問看護師間の連携を迅速かつスムーズに行い、より良いサービスを提供しましょう!
企画・執筆: 三田芳
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執筆者
三田芳
訪問看護ステーション月 訪問看護師
看護師歴: 14年
保有資格: 終末期ケア専門士、看取り士、
災害支援ナース
訪問看護ステーション月 訪問看護師
看護師歴: 14年
保有資格: 終末期ケア専門士、看取り士、
災害支援ナース