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2025 年、めどぷら は
に生まれ変わります。
私は救急外来から急性期病棟、ICUなどの集中治療領域での経験を経て、たくさんの患者様との出会いや経験をしてきました。その中でも患者の状態が急変する部署では、口頭指示は当たり前であることが多い世界でした。
しかし、業務の多様化や医療の進歩による業務の煩雑化、薬剤後発品の増加による薬剤名の種類が増加したことなどから、口頭指示での医療事故が増加し、現在では口頭指示はできるだけ減らしていくよう医療安全面でも強化されてきました。
万が一、口頭指示が発生した場合でもメモに記載し、必ず指示内容を可視化することが必須になっています。これにより、正確な指示が行なわれ、当事者の患者様だけではなく医師も看護師も守られるような環境づくりがなされています。
2022年6月、在宅医療へ現場を移し、そこで感じたことは非常に口頭指示が多く、電話でのやりとりが主流となっているということでした。
確かに病院という一つの場所での医師と看護師のやり取りとは違い、各々が異なる事業所やクリニックに在籍し、自宅で過ごされる利用者の方々のケア介入を行う訳ですから、タイムリーな指示が行き交うことは困難であると感じます。
しかし、在宅でのケア介入であるからこそ、利用者のそばに看護師のみで訪問し、状態を判断して医師に報告、指示を仰ぐ必要があります。ただ関係する医師が使用している薬剤もさまざまであり、先発品で指示する場合や後発品名で指示する場合もさまざまです。
看護師は専門分野や継続的な学習によって、必要な知識を身につけスキルとして提供することは行なっていても、看護師資格は“医師の指示のもと”診療の補助、日常生活の支援を行うということが法律で定められています。口頭指示はタイムリーに指示を仰ぐことができ、即時対応可能である点からも必要である一つのツールとは考えています。
しかし、ほんのわずかな聞き間違いで、重大なインシデントにつながる可能性も非常に高いものでもあります。実際私自身も集中治療領域で勤務中、指示を電話で確認し復唱して確認した上で、薬剤を看護師同士でダブルチェックを行った後投薬を行いました。しかし、その後病棟に訪れた医師に『指示した薬剤と違う』と指摘されました。
メモと復唱したことを再確認しましたが、指示していないとの一点ばりで、非常に辛い思いをしたことを数年経った今でも忘れることはありません。結果、患者様に状態変化をきたすような医療事故に繋がらなかったものの、その時に受けた心の傷は今もなお癒されることはなく、指示確認の重要性を徹底していきたい。そんな思いでいます。
私たち訪問看護師が訪問看護サービスを導入する際には、訪問看護指示書が必要でありその指示のもと明確な看護目的でケア介入を行います。しかしながら、指示医である医師の業務は繁忙な上、郵送という紙面などのやり取りとなると最短でも2.3日はかかるのが現状です。
だからと言って、退院を目前に控えている患者様や、早期の介入が必要な利用者の方々にとって、1日の遅れが手遅れになる場合もあります。そうあってはならないと指示書が手元に届く前にみなしで介入が開始となることが多い現状です。
その指示書が手元にない空白の時間が少しでも解消され、医師も看護師も安心して適切な医療を提供することができないか。ほんのわずかなコミュニケーションエラーによって、心に傷を残す医療者があってはならない。そう思い、仲間と共にこのHome Medical Plusの開発に着手しました。
病院の中ではチーム医療の重要性が謳われるこの時代、医師や看護師のみでなく訪問介護やケアマネージャー、相談員などの在宅医療に関わる全ての関係者もより強固な”在宅のチーム医療”を行なっていけるよう、必要なシステムとして、このHome Medical Plusを活用して頂きたいと思います。